「しんぴ倒立」(伸腕屈伸開脚力倒立)について R8.3.1更新
体操競技や新体操男子の技として取り入れられている「しんぴ倒立」の練習方法を紹介します。 この技は苦手とする選手も多く、肘が曲がって腰を乗せてしまったり、「肩の上に腰をのせる」感覚がつかめないまま練習が進んでしまうこともあります。 しかし、しんぴ倒立が身につくと、男女を問わず多くの種目で技のバリエーションが広がり、表現力や難度向上にもつながります。
「しんぴ」の漢字について
「しんぴ倒立」の“しんぴ”は、文献や指導者の間で 「伸臂」 と 「伸肘」 の2種類の表記が使われているようです。 以前は「伸臂」が多く用いられていましたが、近年では「伸肘」を使用する例が増えています。
- 伸臂(しんぴ)
- 音読み:しん・ひ
- 訓読み:ひじ
- 伸肘(しんちゅう/ひじ)
- 音読み:しん・ちゅう
- 訓読み:ひじ
どちらも「肘を伸ばす」という意味を持ちますが、「ぴ」と読むのは本来「臂(ひじ)」の方であり、表記の変遷については明確な理由は分かっていません。
それでは、楽しくできる、トレーニング方法をご紹介します。
❶小さめのバランスボールを用意してください。
(ボールの大きさは大人でも55cm以下のボールがよいでしょう)

➋ボールの上に膝を乗せる。

❸手は動かさず、ボールを少しずつ体の方へ寄せる。
・肩が前に出ないように注意する

❹ボールをゆっくり顔の方へ引き寄せる。
・肩をロックし、肩が前に出ないようにする(肩の柔軟性があると楽になる)。
・足先がボールの頂点に来たら、腰が乗った状態になる。ゆっくりとボールから脚を離していく。

❺ボールから足が離れたら、開脚・閉脚どちらでもよいので脚を上げる。

❻3秒ほど静止する。

★補助のポイント
・最初は難しいため、補助者が必要。
・一方の手で肩が前に出ないように押さえ、もう一方の手で太ももの後ろを支え斜め上に押し上げる。特に「腰が乗る形」を補助者が正確につくることが重要。
・補助者が適切な位置に腰を乗せられるかが成功のポイントとなる。

過去5年間(おおむね2019年以降)に発表された男子新体操に関する学術論文をピックアップしました。R7.7.13更新
1 大学生男子の跳躍頻度・跳躍特性に関する研究(2022)
・著者:大坪俊矢ら(福岡大学)
・内容:男子新体操の個人競技における跳躍の頻度や高さ、滞空時間などの特性を大学生選手を対象に分析。パフォーマンスの重要要素を定量的に評価しています。hu.repo.nii.ac.jp+3ipsj.or.jp+3ipsj.ixsq.nii.ac.jp+3福岡大学リポジトリ+1Google Sites+1
2 機械学習による技判別システム開発(2019)
・著者:斉藤大和・多田信洋(福岡工業大学)
・内容:Kinectに依存しない、機械学習を用いた技判定・評価システムを開発。従来の技判定手法の課題を克服しようとする先駆け的な研究です。ipsj.ixsq.nii.ac.jp+1ipsj.or.jp+1
3 ダンス・アイソレーショントレーニング導入に関する研究(2019)
・著者:田中直美ら(花園大学)
・内容:男子新体操にダンスの“分離運動”トレーニングを導入し、その効果や有効性を検証。競技表現力向上へのアプローチを示しています。hu.repo.nii.ac.jp+1国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)+1
4 男子新体操の発祥・起源に関する歴史探究(2021)
・著者:日本体育・スポーツ・健康学会発表
・内容:1968年に新体操へ名称変更された経緯や発祥から現代までの歴史的背景を調査。国内限定競技としての成り立ちや文化的背景を明らかにしています。reddit.com+15jstage.jst.go.jp+15biwako-seikei.repo.nii.ac.jp+15
★過去5年間(おおむね2019年以降)に発表された女子新体操に関する学術論文のうちの日本語論文をピックアップしました。 R7.7.13更新
1 高校女子のジャンプターン動作の1年間変化(2023年)
・高校女子選手10名対象。踏切~ジャンプ局面の関節角度や速度の比較。
・1年間で「踏切時の右足移動速度」「ジャンプ中の開脚角度」「股関節伸展」の向上が確認された。可動域や動作の質が高まる傾向を示す 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)+1cir.nii.ac.jp+1cir.nii.ac.jp+2J-STAGE+2日本スポーツパフォーマンス学会+2。
2 団体競技のウォーミングアップ改善(2024年)
・高校女子新体操部団体に、アジリティ重視のウォームアップを導入。
・練習・試合でのパフォーマンス改善効果を観察し、競技力向上への有用性を確認 jwcpe.repo.nii.ac.jp。
3 前後開脚ジャンプと柔軟性・跳躍力の関係(2021年)
・大学および短大選手対象。柔軟性や筋力とジャンプ動作の関連を分析。
・前後開脚ジャンプの高さ・精度は、柔軟性や下肢パワーと強く相関する jwcpe.repo.nii.ac.jp+1housei-badminton.com+1。
4 心理的競技能力と不安の関係(2021年)
大学生選手対象。競技特性不安と集中力・自信などの心理項目を測定。
高レベル競技者ほど「不安が少なく、自信と集中力が高い」傾向あり。メンタルトレーニングの重要性が示唆される 法政大学電子図書館+1国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)+1。
★研究部報131号(2025年5月7日発刊) こちら
★採点規則 体操男子・体操女子 2025年版(2025年3月19日発刊) こちら
★2025-2028年新体操女子採点規則 予約受付中 → 日本体操協会HPへ
★日本体操協会 販売物は こちら (体操競技・新体操・トランポリン等)
(最新 研究部報130号 2024年11月1日発刊)
★FIGの公式サイトで2025年版採点規則(CODE OF POINTS)が公開
FIG→RULES→Men’s Artistic→FIG – Rules (gymnastics.sport)
体操競技男子 体操競技女子 新体操 トランポリン
★「体操競技のバイオメカニクス」
<著者>早稲田大学スポーツ科学学術員 教授 土屋純
<発行>講談社サイエンティフィック 2021年6月25日発行
<内容>バイオメカニクス(=生体力学)にもとづく解説により、体操技の原理と基本が理解できる! 例えばゆかでは、正しい前転の技術から始め、バク転やバク宙の実施方法・練習方法までを解説。体操競技の選手や指導者だけでなく、器械運動を指導する教員にもお薦めの1冊!
★学習指導要領 学校体育実技指導資料第10集「器械運動指導の手引」
